
車に乗っている方でしたら、ファンベルトと言った言葉は何となく聞いた事があるのではないでしょうか。
ベルトには種類があり、ファンベルト、クーラーベルト、タイミングベルトなどがあります。
エンジンの下側中心にある、クランクプーリーと呼ばれる回転部分と補器類を繋げているのがベルトです。
補器類とはバッテリーを充電するオルタネーターやエアコンを作動させるエアコンコンプレッサーなどです。
補器類を回すのはとても力が必要で、ベルトが正常でないと補器類が十分回転しないので、正常な作動をしなくなります。
車のキュルキュル音が最初だけするスズキ車はベルトの可能性が高いので、ここではベルトの点検方法をご紹介します。
なお、平成22年式位のスズキの車はベルトが劣化して音が出ているわけではなさそうです。
平成20年から24年のワゴンRは「ワゴンRのエアコンが故障する時」のページを参考にして下さい。
目次
ワゴンRのキュルキュル異音はファンベルト
- 内側
- 外側
①はベルトの背中の部分になります。古くなってくると、この背中の部分を押すとギューギュー音がでますので、良否の判断がしやすいです。
②のギザギザした部分は一番大事な箇所で、プーリーとの接地面になります。ファンベルトはクランクプーリーとオルタネーターがこのベルトでつながります。
この部分がひび割れるとベルトが切れてしまいますので、目視ではここを確認します。

劣化したベルトは硬くなっているので、亀裂が発生します。
硬くなっているベルトは引っ張ったり、縮めたりすると、ギュッ、ギュッ、といった音がでます。
そのベルトで補器類を回していれば、ベルト鳴きがするのは想像がつきますが、音が出ている時はファンベルトが滑って力が逃げていると思って下さい。
と言う事はオルタネーターのベルトから音が出ているという事は力が逃げているので、オルタネーターはの充電量が減っているのです。
車のベルト鳴きを放置すると?
ファンベルトがキュルキュル鳴いている時はベルトがプーリー上を滑ってる状態です。
ファンベルトが滑るとオルタネーターを回す回数が減ります。
オルタネーターとは発電機なので、その名の通り電気を作ります。
クランクプーリーとオルタネーターはベルトでつながれて回転します。エンジンが多く回転するとそれだけオルタネーターが回転しますので、車のバッテリーは充電されていきます。
車は充電しないと、すぐにバッテリーが上がりをおこします。
例えば新品のバッテリーを装着しても充電されなければ1時間走行するとバッテリーは空になってエンジンが止まってしまいます。
そうなるとブースターケーブルを使用すればエンジンをかける事ができますが、ケーブルを引き離すと止まってしまうので、充電しない状態の車はただのバッテリー上りとは違って大変です。
充電しない状態とは主にファンベルトが切れているかオルタネーターが故障しているかのどちらかですが、どちらもメーターの中にバッテリーマークの異常警告灯が点灯しますので、このランプがついたら早く安全な場所に止まって下さい。
そのまま走行しても5分程度で止まってしまうと思いますので、すぐに知っている整備工場に連絡しましょう。
ベルト鳴きが発生して滑ると削れて切れるので早めに点検しましょう。
対策1.任意保険のロードサービス
整備工場が営業していない深夜などはJAFに連絡すると一時的に保管できる所に運んでくれます。
もしくは任意保険に加入していれば、無料レッカーサービスが付いている事が多いので、まずは保険会社に連絡してみるのもいいと思います。
レンタカーの無料貸し出しの契約している人が多いので、まずは保険会社に連絡した方がいいでしょう。
ベルトの異常でバッテリー上りをすると自分で対処するのは難しいので、ロードサービスは助かります。
なお、ワゴンRのエンジン警告灯が点灯した際は、1度確認した方がよい箇所があります。エンジン警告灯が点灯する原因のページを参考にして下さい。
先ほど説明したように充電しない状態ですと、新品のバッテリーでも1時間しかもちません。ましてや1~2年使用した状態では半分の30分程度で止まってしまうので気をつけて下さい。
対策2.車検に出した時に修理する
車検と同時にベルト交換をすると通常より工賃が安くなります。
オートバックスでしたら車検費用も安いので、車検が近いようでしたらオートバックスに相談して見ましょう。
「オートバックス車検で見積もりだけ」のページを参考にして予約してみて下さい。
音の出るタイミングで原因を知って対策する
最初だけキュルキュル音の原因と対策
エンジンをかけ始めの2分程度キュルキュル音がする場合はベルトの張りが緩い事が考えられます。
まずは張りを調整しましょう。
走り出しだけキュルキュル音の原因と対策
ベルトが古くて固くなってる事が考えられます。走り始めは急に回転が上がるので固くなったベルトは滑りやすいです。
その場合、ベルトは削れているので交換した方がよいです。
ベルト鳴き対策スプレー
ベルトの張りが緩かったり、ベルトが古くなって固くなった場合、市販の潤滑スプレー(クレ5-56など)をベルトに吹き付けると一時的に音は消えます。
吹き付けたばかりですと、いつもと違うチリチリ音が発生する場合ありますが、1日経過すると音が消える場合ほとんどです。
潤滑スプレーは浸透力が強いので、ベルトが膨らみ弾力が復活するので張り強くし、硬化を和らげ、ベルト鳴きを軽減してくれます。
その他のベルトが故障すると
ファンベルト以外にベルトにはエアコンのコンプレッサーを駆動するエアコンベルト、パワーステアリングポンプを駆動するパワーステアリングベルトがあります。
タイミングベルトという重要なベルトもありますが、この型のワゴンRでは使用していません。
その代わりにタイミングチェーンと呼ばれる部品がついていますが、このタイミングチェーンは切れる事がありませんので、メンテナンス不要箇所になります。
ファンベルト以外のベルトはその名の通りの機能を果たすための物です。
エアコンベルトはエアコンを作動、タイミングベルトはエンジンの圧縮時期を合わせているのです。
圧縮時期を合わせていると言っても、わからないと思いますので簡単に説明します。
エンジンの上と下を結んでいるベルトで、エンジン内部のピストンを動かすと同時に上に付いている燃料の吸入口を閉じたり、開いたりする作動を連動させている。ベルトで繋がっているので、連動する。 |
そのタイミングベルトはカバーに覆われているため、分解しなければ確認できません。
タイミングベルトもとても重要ですが、見えない為、交換時期が車種によって違います。
国産車ですと、ほとんどの車が10年経過もしくは10万kmで交換することになっています。
そのタイミングベルトは切れるとエンジンが止まってしまうほど重要です。
しかし平成16年以降のワゴンRはベルトではなく、チェーンなので安心して下さい。
そのタイミングチェーンもデメリットがあります。
※タイミングチェーンは切れない代わりに伸びる!
エンジンオイルの交換を怠ったり、エンジンに負担がかかる乗り方をしていると、伸びてしまいます。
チェーンが伸びるとエンジン始動時、特に2時間以上放置した後にエンジンをかけると最初の2秒ほどガラガラ音が出るので分かりやすいと思います。
チェーン音は修理費用が10万円以上するのでエンジンの寿命とも言われています。
ベルトの交換費用【車検整備以外の時】
部品代金(ベルト全数) | 工賃 | 合計 | |
軽自動車 | 6000円 | 5000 | 11000円 |
普通自動車 | 7000円 | 6000円 | 13000円 |
以上になりますが、軽自動車はワゴンRも含め、どの車両もこの程度の金額です。
普通自動車も外車など、変わった車はもう少し高くなります。
ベルトが劣化し、音の出ている状態ですと、ベルトが少し滑っている事になりますので、バッテリーの充電量が少くなります。
そうなるとバッテリーの消耗が早く、交換時期も早くなってしまい、費用負担が増えますので、早めにベルトを直した方がいいでしょう。
また、ベルトなどの消耗品の交換は車検の時に行うのと、ベルト交換だけをお願いするのでは、工賃が大きく変わります。
軽自動車のベルト交換を車検の時に行うと、工賃が2500円程度で作業してくれるお店もありますので、もし、音が出ていたりベルトが劣化していると言われたことがあった場合、ご自分でベルトを見て亀裂があるようでしたら、車検時期を確認して車検と同時に作業をお願いしましょう。
車検は安くて親切な「オートバックス車検」がおすすめです。
音の出やすいタイミングは朝の冷えている時間帯、雨で湿っている時、加速時のエンジン回転を上げたときです。この音が出てきましたらベルトが劣化してきたと判断し、早めに交換することをおすすめします。万が一切れてもファンベルト以外は走行できます。エアコンベルトなどはその機能が使えなくなるだけです。ファンベルトの場合は発電くなるだけでなく、冷却水を循環させるポンプも一緒に回していることもありますので、オーバーヒートしてしまうこともあります。そうなると走行できなくなるだけでなく、エンジンが壊れてしまうことはありますので、注意してください。