料金表を見て安いお店を探す人、お店に行って安くしてほしいと言う人など、安い車検を望む人はとても多いです。
しかし安い車検に出すと壊れる箇所があるのをご存知ですか?
いくら安くても故障してしまうのでは高い車検と同じです。と言うより、逆に高くてしっかり整備する車検より高い費用を払う事になる可能性もあります。
車検はどこも同じ所を点検するから激安車検でいいと思っていませんか?
しっかり理解していないと危険な激安車検のからくりをご紹介します。
まずは車検費用の基本である内訳から解説いたします。
※なおオートバックス車検なら激安でも安心です。オートバックス車検の見積もりと注意点も参考に見て下さい。
目次
車検費用の内訳(部品料金は乗り方次第)
車検費用の内訳(日本自動車整備振興会調べ)
- 重量税
- 印紙代
- 自賠責保険
- 検査代行手数料
- エンジン下回り洗浄料
- 下回り塗装料
- 基本点検料
- 整備技術料
- 部品、油脂料
- 保安確認検査料
以上10項目が内訳となりますが、整備技術料と部品、油脂料が、大きく金額の変わるところになります。
例えば、走行1万kmの車と走行5万kmの車では、ブレーキやタイヤの消耗する量は変わります。
やはり5万kmを走行してる車の方が、交換する部品が多いです。
消耗の仕方は乗り方にも非常に関係深く、高速道路を頻繁に使用して5万kmを走行するのと、近くの買い物だけで5万kmを走行するのでは、車の消耗の仕方はまったく違います。
同じ距離でも近くの買い物ではブレーキを頻繁に使いますし、ハンドルを頻繁に操作しますので、タイヤも削れます。
ですので、整備費用は乗り方に大きく左右されます。
激安車検のからくり【後々壊れる】
インターネットで検索すると車検3万円~なんて表記されているのを、よく見ます。しかし実際はもっとかかるんじゃないのか?と思っていませんか?
その通りです。最低金額で出来る車検なんてほとんどありません。なぜなら交換部品代が入ってないからです。
以前、こんなことありました。
ずっとガソリンスタンドで車検してた車が調子が悪くなり見てほしいと言われ、点検したところエンジンオイルが空っぽ。
聞いてみると、とにかく安く車検をやってくれと頼んだそうです。しかし、通すだけの車検のせいでエンジンが壊れ40万円の修理見積りがでました。
そのお店は安くやってと言われて、安くやっておきました。で終わるお店だったのです。
せめて交換した方が良い部品位教えて欲しいと思いますが、交換した方が良い部品を調べるにはある程度点検をしなければなりません。
そうなると車検基本料金が高くなってしまうので激安車検ではなくなります。
激安車検のからくりは何も点検しない!
要するに車は一切見ずに車検検査を受けて落ちたら何を修理しなくてはダメか報告するのが激安車検。
激安車検の注意点
結局、交換しなければならない箇所があれば車検料金は高くなります。
激安車検で逆に高くなる可能性のある箇所- エンジンオイルの量
- 冷却水の量
- タイヤの空気圧
- ベルトの亀裂
- ブレーキパッドの残量
この5つは見ておかないと後々の故障で高額修理になる可能性があります。
激安も相場がわからないと激安かどうかもわからないと思います。軽自動車の車検費用相場もご覧ください。
軽自動車の車検費用の平均
重量税 | 6600円 |
印紙代 | 1400円 |
自賠責保険 | 25070円 |
検査代行手数料 | 8437円 |
エンジン下回り洗浄料 | 4386円 |
下回り塗装料 | 4303円 |
基本点検料 | 14599円 |
整備技術料 | 9410円 |
部品、油脂料 | 13182円 |
保安確認検査料 | 6911円 |
軽自動車 車検総額 | 94298円 |
【日本自動車整備振興会 H27データ】
こちらが平均となっているわけですが、軽自動車の車検も実際は94000円もかかっています。
下回りを洗浄して錆防止の塗装などは作業しない業者も多いので、そこを引くと1万円ほど安くなります。
この金額が軽自動車の車検費用の平均なら激安車検は総額で7万円以下
普通自動車の車検費用の平均
重量税 | 32800円 |
印紙代 | 1800円 |
自賠責保険 | 25830円 |
検査代行手数料 | 8455円 |
エンジン下回り洗浄料 | 5087円 |
下回り塗装料 | 5183円 |
基本点検料 | 18487円 |
整備技術料 | 11679円 |
部品、油脂料 | 18427円 |
保安確認検査料 | 7532円 |
普通自動車 車検総額 | 135280 円 |
【日本自動車整備振興会 H27データ】
こちらが普通自動車の平均です。あなたの車の車検費用はどうでしたか?
この金額が平均でしたら普通車が激安車検と呼べるには10万円以下
車検の内訳を解説
重量税
これは車体の重量にかかる税金です。
この税金は車検の時に必ず必要になり、重量は車検証に記載されている車両重量をご覧ください。
なお、エコカー減税などにより、重さだけでなく、車種によって税金が変わってきます。
こちらの重量税サイトで車体番号を入力してご確認下さい。軽自動車の重量税はこちら。
印紙代
こちらは陸運事務局に支払う手数料です。
認証工場と指定工場では数百円の差がありますが、認証と指定の主な違いは、車検の検査を「その場で出来る」かどうかです。
車検整備を終わった後に検査員が検査し、合格を出さなければ、車検証は交付されません。
その検査員がお店にいれば指定工場、いなければ認証工場になります。
ですので、指定工場ですと、その場で車検が完成しますが、認証工場ですと、検査員のいる陸運事務局まで車を運ばなければなりませんので、車検の時間はかかります。
自賠責保険
これも次の車検満了日より多い日数で入らなければいけません。
車検が切れる前に、保険が切れ、事故を起こすと大変な事になります。
検査代行手数料
これが先ほど説明した、検査員に検査してもらう書類作成や、検査員の所まで運ぶ手数料になります。
エンジン下回り洗浄料
これはその通り、エンジンと車の下(裏)の洗浄です。
エンジンの洗浄と言ってもエンジン外部になります。泥、油など、不要な物が付いていると、色々な機能に支障がありますからね。
下回り塗装料
こちらは上の洗浄をしないとできませんので、通常セットになります。
錆びや腐食を抑える塗装をします。雪国や海沿いで錆が発生しやすい所での使用が多い車はやったほうがいいでしょう。
私の個人的な意見では、錆の発生しにくい普通の地域でしたら必要ない作業だと思います。
基本点検料
定められた車検点検項目にそって点検、整備する費用になります。
普通乗用車ですと、56項目の箇所を点検する事が義務づけられており、1つ1つ細かくチェックしていきますが、交換作業は基本的には含まれていません。
しかし、軽作業は基本工賃に含める良心的なお店もあるようです。そういったお店は車検人気ランキングに多くあります。
整備技術料
こちらは基本点検項目以外の箇所を整備する場合にかかります。
例えば、ブレーキの分解、点検、清掃などは基本点検に含まれていますが、交換作業は含まれていませんので、交換が必要な時はこの整備技術料の項目に加算されます。
部品、油脂料
これも先ほどのブレーキで例えますと、ブレーキパッド代になります。
その他にエンジンオイルやブレーキオイルを交換すればこの項目になります。
保安確認検査料
これは車検整備がすべて終わって、保安基準に満たしているかチェックします。
ヘッドライドの色、高さ、明るさ、そしてタイヤの摩耗、亀裂、オイルもれ、水漏れ、ブレーキの利き具合、スピードメーターの誤差などです。
とにかく安い車検でも安全なのは専門店
今回、説明した車検の相場は私から見ても「少し高い」と思います。
それは車検専門店のチラシやインターネットの金額を見てしまっているからです。
整備振興会に加盟しているお店は主にディーラーや民間車検工場や町の整備工場が多いです。
それらのお店は車検に特化しているわけではなく、修理のプロフェッショナルです。
修理のプロなので、当然、車検も出来ますが、車検専門店のような、流れ作業で、車検整備が出来るような工場の作りではありません。
その車検整備の作業効率で、どうしても車検費用の差がでてしまいます。
車検専門店は激安まではいかないが安心
やはり車検に特化しているコバック車検などの専門店にはかないません。
効率が良いと言うことは、時間が短縮されると言うことになります。
自動車整備は時間工賃です。
時間が短縮されれば、当然、工賃は安く済みます。
ちなみに1時間あたりの工賃平均は7500円位だと思います。1時間短縮出来れば、7500円安くなります。
そう考えると安いから整備の質が悪いという考えはなくなります。
車検に時間をかければいいってものでもないんですよね。
「車検にかかる日数は」のページが参考になると思います。
そしてもう1つ、安くても安全な理由があります。
車には調整不要箇所が、どんどん増えていってる!
これは、ストレートに言うと、さわる必要がないという事。それにベルトも強化されて寿命が一気にのびました。
今のベルトでしたら、ほとんどの車は5万km以上は無交換でいけるのではないでしょうか?
今は車の素人でも確認出来る、タイヤ、オイル、冷却水などの点検のちょっとした延長で車検点検が出来てしまいます。
今の話を聞けば、安くて当然、逆に安くなければ、おかしいと思いませんか?