ワゴンRのエアコンが故障すると同時にエンストする事があります。エアコンとエンストが関係しているのはどうしてでしょうか?
今回はワゴンRのエアコンが効かない原因とエンストの関係について解説します。
目次
ワゴンRのエアコンが効かない時の音で故障個所を判断
エアコンのスイッチを押すと異音がする場合がありますが音で何が故障しているかある程度判断できます。
以下でご紹介する3つの故障の中でエンストと関係する箇所があるので見て下さい。
音の種類- キュルキュル
- カチカチ
- ガッ
1.キュルキュル音 |
エアコンのベルト不良かコンプレッサーのオイル不足で動きが重くなっている。 |
2.カチカチ音 |
マグネットクラッチが故障している |
3.ガッ音 |
コンプレッサーが焼き付いている |
上記3つの音によって故障の症状が変わります。それぞれの音を解説するので見て下さい。
エアコンが効いたり効かなかったりはキュルキュル音
キュルキュル音はエアコンのベルトが滑っているので「エアコンがぬるい」とか「エアコンが効いたり効かなかったり」といった症状がでます。コンプレッサーオイル不足で動きが重くなっていてもベルトが滑ってベルト鳴きが発生します。
ワゴンRのベルト鳴きページも参考にして下さい。
マグネットクラッチが故障するとカチカチ音
エアコンのコンプレッサーにはマグネットクラッチが付いています。
この画像はエアコンのコンプレッサーですが溝があるプーリー部分がマグネットクラッチです。
このようにマグネットクラッチは取り外し出来ます。マグネットクラッチがつながるとコンプレッサーが作動しますがカチカチ音が出ている時はマグネットクラッチが繋がったり切れたりを繰り返している音です。
なのでこのような音が出ている時はコンプレッサーがしっかり回らないのでエアコンがぬるくなります。まれにエアコンリレーが故障してカチカチ音が出る時もあります。
コンプレッサーが故障するとロックするガッ音がでる
この音はコンプレッサー内部の回転するローターが止まっている音です。音が出る原因はコンプレッサーのオイル不足です。
オイル切れによってローターが側面に当たり回転が止まってしまう症状がでます。
エアコンが効ない&エンストの両方の原因
先ほど解説したコンプレッサーのロックがエンストとエアコンが効かない両方の原因になります。
❗コンプレッサーの故障でもエンストする
なぜ、このような症状がでるのかといいますと、エンジンの回転でエアコンのコンプレッサーを回しているからです。
エンジンとエアコンのコンプレッサーはエアコンベルトを介して繋がっています。
上の画像の右下がエアコンのコンプレサーです。その左のプーリーがエンジンです。ちなみに上の方に見えるプーリーがオルタネーターとウォーターポンプです。
このようにベルトで繋がっているのでコンプレッサーがロックしてしまうとベルトがブレーキになりエンジンも止まってしまいます。
ワゴンRのブレーキを踏むとエンストする原因
ブレーキを踏むとエンストしてしまうのはエアコンのコンプレッサーの可能性は低いですが、時々あります。コンプレッサーのオイル不足が原因ですが、エンジン回転が高い走行中は大丈夫でもブレーキを踏んで回転数が落ち始めている時にそのままエンストしてしまう例があります。
しかしよくある故障個所はISCバルブというエンジンの吸入空気量を調整する部品の故障です。ここは燃料とオイルのスラッジが溜まりやすく空気量の微調整が出来なくなる事で回転が不安定になりエンストしてしまいます。
※ISCはアイドルスピードコントロールバルブの略
コンプレッサーでもエンストしますが、そのコンプレッサーがどういった仕事をしているのかも見て下さい。
エアコンのコンプレッサーとは
エアコンのコンプレッサーはエンジンの補器類としてエンジンの横に付いています。
もう1つ、オルタネーターという発電機も同じような所に付いています。
この2つともエンジンとベルトで繋がってエンジンによって回されています。
そしてエアコンのコンプレッサーはエアコンガスを圧縮してラジエータ前のコンデンサーに流し、ファンで冷却し圧力を下げます。
その後、室内のエバポレーターと呼ばれる冷えたガスを貯める装置へと送る役目をしています。
ということはコンプレッサーが動かなければ、ガスを送らないので、室内は冷えません。
よくある質問Q:エンジンとベルトで繋がってるってことは、コンプレッサーが動かないと、エンジンも止まってしまうんじゃない? |
コンプレッサーにはベルトで回るプーリーが付いています。そのプーリーは完全にエンジンとつながっていますが、コンプレッサーの中身は空転しています。コンピューターで制御して、エアコンのスイッチを入れてエンジン回転数などのエンジンの機能に異常がなければ中身を磁石でプーリーと中身をくっつけて圧縮機能をスタートさせています。それがマグネットクラッチです。エンジンを動かすのを最優先で考えていますので、エンジンの不具合がある場合、マグネットクラッチを切断してエンジン回転を保持します。 |
しかしマグネットクラッチではなくコンプレッサー本体が動かなくなるとエンストしてしまいます。
その場合はコンプレッサー内部が接触して削れてしまうので削り粉が発生してエアコンサイクルを詰まらせます。
交換するしか直す方法はありませんが、悪化させなければ安く直すこともできます。
ワゴンRのエアコンの修理代を安くするには
コンプレッサー内部損傷による削れカスがエアコンサイクル内に流れ、各部の詰まりになる。
これは高額修理になります。エアコンガスの流れる所はエンジンルームから室内まであります。
すべて交換する必要はありませんが、清掃は必要になるでしょう。
主な交換部品はコンデンサー、リキッドタンク、エバポレーター、エキパンです。
全部で20万円程度の修理費用
あなたのワゴンRは大丈夫ですか?今までの説明に当てはまる症状や音がありましたら、すぐにエアコンのスイッチを切ってください。
エアコンのスイッチです!風を出すスイッチとは違います。ACと書いてあるボタンです。風は出ててもかまいません。
エアコンのスイッチをONにしなければコンプレッサーはロックしませんので、ベルトや詰まりは最小限に抑える事ができますが、ワゴンRは無料で直るかもしれません。
エアコンが効かないリコール対象車
ワゴンRのエアコンはリコールが出ています。
リコール対象
スズキ ワゴンR 平成20年~24年
型式 MH23S
車体番号
MH23S-100080~995062
MH23S-400013~856370
ご自分の車検証を見てご確認下さい。
リコールがダメなら保証で直す
残念ながらリコール対象から外れている車は有料修理になってしまいますが、まだあきらめないで下さい。
中古車で購入した車でしたら、チャンスがあります。
カーセンサー掲載店でお車を購入された方は無料で直るかもしれません。詳しくはこちらをご覧ください
中古車の走行距離10万キロ越えのリスク【修理無料のカーセンサー保証で限界突破】
リコールも保証も全部ダメですと、いよいよ本格的に有料修理です。
エアコンの修理はどの車でも高額です。MAX20万円といった修理もよくあります。
20万円も修理に支払うなら思い切って車を買い替えた方がいいと思う人もいるのではないでしょうか?
実際に20万円の修理をしても新品になっているのはエアコンだけです。エンジンなどは古いままです。
車のエアコンはそれほど故障する箇所ではありません。
エアコンが壊れるような車はそれなりに走行距離が多かったり年数が経過していると思います。
そういった車はその後、ラジエーターから水漏れしたりオルタネーターが発電しなくなったり、セルモーターが動かなくなったりと次々お金がかかることが多いです。
修理せずに買い替えた方が長い目で見るとお得な場合もあります。
有料修理する前に一度、ご自分の車がいくらで売れるか見ておくといいかもしれません。
エアコンが壊れていると車の査定は0円?
やはりエアコンが故障していると査定額が大きく変わります。
しかし、0円まで安くなることはないでしょう。
いきなり査定に申し込む前にご自分の車の買取相場を調べましょう。
エアコンガス補充は3千円です。コンプレッサーオイル補充も3千円程度です。エアコン故障のマイナス査定は5から10万円なので、査定前のガス補充とオイル補充だけはしておいた方がいいと思います。