エンジン警告灯が点灯している時はその他にも3つほど警告灯が点灯しているケースがよくあります。
「エンジン警告灯」「VSC警告灯」「TRC警告灯」などトヨタ車やダイハツ車によくある故障です。
この場合、色々故障しているかと思ってしまいますが実は1つの部品が故障しているケースがほとんどです。
VSC警告灯の原因を調べて消す方法と、そもそもVSCは何かをご紹介します。
なお、色々な警告灯の原因を知りたい方はエンジン警告灯をオートバックスで消すページも参考にして下さい。
目次
VSC警告灯 TRC警告灯の消し方
上の画像のマークがVSCです。
まず、点灯原因を調べると故障時はTRCとVSCは同期して点灯する事が資料に出ていましたので、この2つの点灯は同じ1つの部品の故障を示しているようです。
共にブレーキに関係している警告灯なのでブレーキ系をスキャンツール(OBD診断機)で点検するとエンジン系統に不具合があると表示されました。
エンジン警告灯の原因が分かって修理すれば全部の警告灯が消えそうです。
エンジン警告灯はO2センサーが原因
スキャンツールで故障コードを見るとO2センサーの異常が出ています。エンジン制御センサーの異常を感知すると安全装置のTRCとVSCの作動は停止させるようになっているようです。
上の画像は右が故障しているO2センサー、左が新品。右は酸素量を感知する通路にカーボンが詰まって測定できていない。
エンジン制御センサーはO2センサー、エアフロメータなど燃料や空気量を測定している部品です。
エンジンを制御系異常で機能を停止させてしまうVSCとはなんでしょうか?それほど重要な部品なのでしょうか?
VSCとは横滑り防止装置
トヨタとダイハツはブレーキをコントロールするVSCが設定されています。
トヨタ車などお乗りの方はメーター内に表示されたりするので、見た事のある方もいると思いますが、特に気にせずにお車を使用していると思います。
正常時はエンジンスイッチONにするとメーター内に3秒間点灯してから消灯する。正常時はVCSスイッチをOFFにすると点灯する。これ以外の点灯は異常。 |
Vehicle Stability Control の略ですが、トヨタ車の横滑りを防止するシステムです。
ダイハツ車にも搭載され、世界のトヨタの安全装置がキャストにも備わっていることになり、安全性の高い軽自動車と言えます。
実際にどれだけ安全性が高まるのかといいますと、トヨタのサイトに載っていた内容ですが、
米国運輸省道路交通安全局のレポートによると、VSC装着車は非装着車に比べ、単独事故が乗用車で35%、SUV車で67%低減する効果がある
とのことです。
67%とは半分以上単独事故が減っている事になります。
では実際にどのように作動して事故を減らしているのかご紹介します。見て行って下さい。
VSCの役割(9つの制御)
走行が不安定になりやすい緊急時や滑りやすい道路でのスタート、カーブ、ブレーキを操作する場合に、車に付けられているセンサーで車の動きと運転者の意図を感知しブレーキやエンジンをコントロールします。
つまり、走行中の異変を感じとって勝手にスピードを抑えたり、各車輪の回転数を調整したりし、車の走行を安全なものにしてくれていいます。
VSC 9の制御
- EBD制御付きABS
- 緊急制動力制御
- TRC
- 横滑り制御
- スマートアシスト制御
- ヒルスタート制御
- エマージェンシーストップシグナル
- ヒルホールド制御
- ダウンヒルアシストコントロール制御
車関係のお仕事をされていないと、この用語は聞いた事もないと思いますが、全てブレーキに関係する箇所です。
どれも便利な機能ばかりですが、この中でも事故を防止するのに大事なのはEBD制御付ABSです。
それではEBD制御付ABSを簡単に説明します。
その前にブレーキの仕組みも知っておくと、今後、車検や修理で説明を受けるときに理解しやすいと思いますので、ブレーキが効かないのページも是非、見てください。
EBD制御付ABSの作動
この制御は急ブレーキや滑りやすい道路を曲がる時にスリップしてしまう時はABSを作動させ、スリップしても車を操作可能な状態に限りなく近づける事ができます。
ちなみにABSとはアンチロックブレーキシステムの略で、特に急ブレーキ時にタイヤをロックさせないシステムで、滑ることなく、止まるまでの距離を短縮させます。
そのABSの作動に加え荷重移動にあわせて4つの車輪のブレーキ力を微調整するのがEBD制御です。
EDB制御はカーブを曲がっている時は左右のブレーキ力を変化させ、スリップすることなく、カーブを曲がることが出来るように制御しています。
スピードを出しすぎてカーブに進入してしまった時にEBD制御付ABSが活躍します。
前方の障害物に気が付くのが遅れて急ブレーキを踏む時もABSが作動して止まるアシストをしてくれるので助かります。
その際、後続車に知らせないと自分は止まれても追突されてしまう危険があります。
そこで役立つのがエマージェンシーストップシグナルです。
エマージェンシーストップシグナルとは
安全機能として便利なのは先ほどご紹介した9つの中の7番エマージェンシーストップシグナルです。
これは緊急制動表示機能で、急ブレーキ操作時に非常点滅灯を高速点灯させるので、後続車に追突される危険性が低くなります。
事故は自分が引き起こすだけではなく、相手がぶつかってくることも多くありますので、追突されるのを防ぐ機能もとても大事です。
しかも軽自動車ですと高速で追突されたら大変危険です。
次に紹介するのもVSCランプに関連する作動ですが、こちらも便利な機能です。
ヒルホールド制御で坂道発進
便利なおすすめ機能は8番のヒルホールド制御です。
これは何をしてくれるかと言うと坂道発進時にブレーキを放しても2秒間ブレーキを踏んでいる状態を保ってくれる機能です。
例えば信号待ちなどで坂道で停車してしまうと、通常の車ですと発進時に車両が後ろに下がってしまいます。
後続車がピッタリついているとぶつかってしまいますので、ブレーキペダルを放したら急いでアクセルペダルを踏み込まなければ後ろに下がりますので、とても緊張します。
そこでこのヒルホールドの出番です。
ブレーキを放しても2秒間ブレーキを踏んだ状態を保ちますので、その間に落ち着いてアクセルペダルを踏めばいいだけです。
とても便利です。
では次もブレーキをコントロールする優れた箇所を紹介します。
衝突回避支援ブレーキ機能
こちらもブレーキ系の安全装置です。
衝突警報
とにかくブレーキで車を止めてしまえば衝突することはありません。
しかし相手がぶつかってくるのを防ぐ事はできませんが、そこはエアバックやタフボディ、相手にランプで知らせるなど、色々な保護はあります。
まずは自分からの衝突は防ぎたいです。そこで衝突回避支援ブレーキ機能の衝突警報です。
前方の車両、バイク、自転車、歩行者をレーダーとカメラで認識すると、自車のスピードやブレーキ操作、アクセル操作、ハンドル操作などをコンピューターが読み取り、コンピューターが衝突の可能性が高いと判断した時に、強烈なブザー音とメーター内のインジケーター点滅で運転者に伝えます。
それでも運転者のブレーキ操作が遅く、このままでは衝突してしまうとコンピューターが判断すれば第2の作動に移ります。
緊急ブレーキ
衝突警報後も前方の車などの距離が近づいた場合、緊急ブレーキの作動とエンジンの出力を下げ、衝突を軽減させます。
しかし完全に止まれる保証はありません。あくまでも事故を軽減させるだけです。
しかし自分にも相手にもメリットがあるこの機能は、これからどんどん普及し、当たり前の装備になるでしょう。
これで事故が減り、大事な人や物を傷つけずに済めば、生活しやすくなりますがVSCが故障すると、危険な車にもどってしまいます。
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