ホンダ車のフィットでよくある故障はCVTのジャダーとエンジン点火系統のイグニションコイル(IGコイル)です。
フィットに長年乗っていて、この2つの故障を経験したことのない方はいないのではないでしょうか。
ここではフィットの加速時のノッキングとガクガク、息継ぎなどの原因や対策をご紹介します。
目次
加速時ノッキングの原因
ノッキングはCVTのジャダーが原因
CVTの中にあるスタートクラッチに古いオイルが付着してクラッチの繋ぎがスムーズにいかないと加速時のノッキング(ジャダー)が発生します。
ジャダーとは?
激しく振動することをジャダーと言います。
車では車体が揺れたり、ブレーキペダルやハンドルがガクガク、ガタガタすることを言います。
フィットのCVTジャダーは車全体が激しく振動します。
CVTとは?
そもそもCVTとは何かわかりますか?
上の画像がCVTですが、エンジンの横に付いているギヤがCVTです。
エンジンの出力に合わせてギヤを上げたり下げたりしています。
自転車のギヤと同じで、スタート時の力が必要な時は1速ギヤで、スピードがでてきたら、2速、3速とギヤを上げると快適に乗れると思います。
このギヤチェンジを自動で行うのがCVTとお考え下さい。
修理はCVTオイルを交換
CVTオイルのあたりつけ
CVTオイルを交換するだけでなく、新オイルをスタートクラッチに浸透させなければジャダーは改善されません。
その作業を整備業界では「あたりつけ」と呼ぶ人もいるようです。
注意する点は必ず純正オイルを使用する事です。
Honda Multi Matic Fluid(HMMF)を使用して下さい。
CVTオイル交換方法
全体の流れ
- CVTオイル抜く
- CVTオイルを入れる3.5L
- あたりつけを行う
- 20分以上放置
- CVTオイルを抜く
- CVTオイルを入れる3.5L
- あたりつけを行う
- 10分ほど通常走行する
- CVTオイル量を確認して追加もしくは抜く
以上ですが、「あたりつけ」だけ以下で解説します。
あたりつけの方法
- シフトDでブレーキを強く踏み3秒間アクセル全開
- シフトNでエンジン3000回転を20秒間保持
- シフトDでブレーキを強く踏み3秒間アクセル全開
- シフトNでエンジン3000回転を20秒間保持
- シフトRでブレーキを強く踏み3秒間アクセル全開
- シフトNでエンジン3000回転を20秒間保持
この作業でスタートクラッチに付着した古いオイルを飛ばし、新しいオイルを付着させます。
CVTジャダー修理費用
CVTオイルが8,000円程度、工賃が5,000円程度ですので合計13,000円前後で交換できると思います。
もしこの作業で直らない場合はCVT本体の交換で40万円程度かかります。
ジャダーを放置すると
私の経験上ではホンダのCVTジャダ―は放置して数年経過してもあまり変化しないような気がします。
ジャダ―が発生している車をそれほど見てはいませんが、動かなくなるほど悪化した車はありませんでした。
逆に「あたりつけ」作業をしても1年程度で再発するのがほとんどです。
それでも再度「あたりつけ」をすれば回復するので、それほど深刻な故障ではないのかもしれません。
アクセル踏むとガクガクする原因
ガクガク、息継ぎはイグニションコイルが原因
アクセルを踏むとガクガクしてスピードが出ない場合はイグニションコイルの故障です。
CVTのジャダーもガクガクしますが、スピードは出るので、スピードが出るか出ないかで故障箇所が変わると思って下さい。
走行中にガクンと息継ぎは?
この症状もイグニションコイルが故障するとよく出ます。
スパークプラグが故障しても同じような症状が出るので、同時交換をお薦めします。
イグニションコイルの点検方法
故障診断機があれば故障している箇所のイグニションコイルが表示されます。
表示例)1番シリンダー失火
診断機持っていない場合はエンジンがかかっている状態でイグニションコイルを1つずつ抜いてまた戻します。
その時にエンジンが揺れて不調になれば、そこのイグニションコイルは正常と判断します。
フィットのイグニションコイルは全部で4本使っているので、このように順番に点検していき、抜いても調子悪くならないコイルが不良となります。
しかし注意しなけれならないのが、スパークプラグの故障です。
最終的にIGコイルを横のIGコイルと交換して抜き差しすることで、スパークプラグの故障も確認できます。
その他にも実際は燃料系の故障も確認しなければ正確な判断はできませんが、簡単な点検でしたらこの方法で十分です。
イグニションコイルの修理費用
参考費用イグニションコイル | 9,000円/1本×4 |
スパークプラグ | 800円/1本×4 |
工賃 | 5,000円 |