走行中にコトコト音がするクラウンは足回りの異音の可能性が高いです。
今回は180系のクラウンでご紹介しますが、200、210、220でも走行距離が増えると同じような箇所が故障するので、クラウンに乗られている方、もしくはクラウンを修理されている方は参考に見て下さい。
目次
コトコト音の正体はショックアブソーバー
走行中にちょっとした道路のでこぼこでコトコト音が出ますか?それとも大きな段差を通過した時にだけ異音が出ますか?
このような場面で発生する異音は足回り部品が故障している可能性が高いです。
今回のクラウンはショックアブソーバー内の油圧が低下しているのが原因で異音が発生していました。
ショックアブソーバーの場合、音がするだけでしたら、まだ良いのですが、完全に故障してしまうと、走行中に車体がフワフワしてハンドル操作が効かなくなり、とても危険です。
音が出始めましたら早めに自動車修理工場で点検しましょう。
ショックアブソーバーの役割
ショックアブソーバーはタイヤのすぐ横に付いていて道路のデコボコを常に吸収し、車内に揺れを伝えないように車体を安定させる部品です。
タイヤの横に1本ずつ装着されていますので、クラウンは全部で4本使用しています。筒状になっており、内部にはオイルが充填されています。下の画像はクラウンではありませんが、一般的にこのような取付になっています。
ショックアブソーバーは主に伸びる速度を遅くして跳ねを抑えて安定させようとします。
車が段差などの障害物を乗り上げる時、車体は上に押し上げられます。その時にコイルスプリングという部品で衝撃を和らげます。
コイルスプリングとはバネです。そのバネの力で衝撃を吸収しますと、今度はそのバネの反動でショックアブソーバーが伸びます。
戻る時にそのままの力で戻れば車はトランポリンに乗っている人のようにハネ続けてしまいます。その戻る力をゆっくりと抑えるのがショックアブソーバーです。
縮まったバネをショックアブソーバーがゆっくりと元に戻す役目をします。
ショックアブソーバーが故障すると異音がする理由
ショックアブソーバーが故障するとコトコト音が出始めるのですが、音はショックアブソーバー内部のオイル不足が原因です。アブソーバー内は本来オイルが充満しています。
オイルが減ってきますと筒の中(ショックアブソーバー)は空洞になります。空洞の部分は空気なので、ショックアブソーバーの下にはオイルが入っていて、上には空気が溜まっている状態となります。
空気はオイルと違って簡単に押しつぶされるので、オイルが入っている所まではスカスカに動いてしまいます。
と言う事は車は段差にのると、まず最初にショックアブソーバーがオイルに当たるまでは簡単に縮み、オイルが入っている所で初めて力が入ります。
その為、勢いよくオイルをたたく音がコトコトという音に聞こえるのです。
ショックアブソーバーの寿命は?
音が出ても始めのうちは普通に走行することはできます。
しかし、音が出始めるとショックアブソーバーの負担はかなり大きくなり、オイル漏れをおこすようになってきます。
オイル漏れをおこせば劣化スピードが速くなり、アブソーバー内部のオイルが空になります。
そうなりますと車体はバネだけで衝撃を吸収することになりますのでトランポリンに乗っている子供のようにハネが止まらなくなり、とても危険です。
ショックアブソーバーの寿命は平均で走行距離15万km位
普段走行する道路の状態が悪かったり、常に5人で乗車している場合は10万km以下でも故障しますが、全部同時に故障するわけではありません。
1本が故障しますと車体が傾きますので、逆側も負担がかかり2本故障します。他のショックアブソーバーにも負担がかかり、4本すべて故障してしまう事もあります。
音が出ているショックアブソーバーを早めに交換することが一番の節約と言えるでしょう。
クラウン18系ショックアブソーバー交換費用
新品 | 中古 | |
ショックアブソーバー | 15000円 | 10000円 |
工賃 | 7000円 | 6000円 |
合計 | 22000円 | 16000円 |
中古品は通常、コイルスプリングとショックアブソーバーが組付けされていますので、新品のショックアブソーバーを装着するより簡単です。
新品のアブソーバーは左右同時交換
中古部品は劣化しているため、当然弱いです。中古部品を利用する時は、その中古品が付いていた車両の走行距離を必ず確かめましょう。
せめてご自分の走行距離より少ない中古品にした方が良いでしょう。
また、1か所を新品に交換すると新品のアブソーバーは硬い為、左右差が出来て車体が傾く場合があります。新品の場合は左右同時交換をおすすめします。
しかし、足回りの異音でもっと故障が発生しやすい箇所があります。それはスタビリンクです。
スタビリンクも異音の定番!寿命は?
アブソーバーの左右を繋げてバランスをとっているシャフトがスタビライザーです。
そのスタビライザーとアブソーバーを繋げているのがスタビライザーリンクという部品です。
上の画像では中央の縦に細長いシルバーの部品ですが、上下のゴムカバーに覆われている箇所が動く部分です。
略してスタビリンクと言われています。スタビリンクは小さな段差も大きな段差でも動いているので消耗が早く、ガタツキが発生します。
ゴムカバーが切れると内部が錆びてガタが発生しコトコトと言った異音を出します。
軽自動車ではそれほど発生しない故障ですが、普通車ではカローラ―フィルダー、プリウス、セレナ、ヴォクシーなど、多くの車がスタビリンクの異音が発生しています。
一般的に8万kmを超えるとブーツが破けて錆が発生し、コトコト音が出やすいです
スタビリンクの交換費用
スタビリンク | 3500円 |
工賃 | 3000円 |
合計 | 6500円 |
1本の交換費用です。左右交換の場合は2倍になります。リアもスタビリンクを使用していますがリアはあまり故障しません。ほとんどフロントになります。
交換は上下のナットを外すだけですが、ほとんどの車は錆が酷く、ナットを外す際に折れてしまう事があるので注意して下さい。