
雨の日にワイパーのスイッチを入れても動かない、という事はありませんか?もしくは、たまに動かなかったり、動いたり止まったり、途中で止まるといったワイパーの故障で困ってる人もいると思います。
出掛けている途中でしたら前が見えなくて大変です。しかもワイパーが故障していると車検も通りません。
ここではワイパーが動かない時の応急処置と、原因一覧、修理費用などをご紹介いたします。
目次
ワイパーが動かない時の応急処置
雨が降っている時にワイパーが動かない状態で走行するのはとても危険です。
昼間でしたら近くのディーラー、ガソリンスタンド、オートバックスに行けば見てもらえるかもしれませんが、ガソリンスタンド以外はほとんど予約制なので、すぐには見てもらえない場合もあります。
夜ですと暗く店は閉まっているので移動はとても危険です。
直らなくてもとりあえず移動できるような応急処置をご紹介します。
自動車保険の無料レッカーサービスを使う
自動車保険に加入されているとレッカーサービスやレンタカーの特約がついている場合があります。もしレッカーサービスがあればご加入されている保険の「事故、故障受付ダイアル」に電話すればワイパーが動かないだけでもレッカーで来てくれます。
レンタカー契約もあればレンタカーも現地まで持ってきてもらえるのでとても助かります。まずは自動車保険の契約を確認しましょう。どこの保険かわからない時は車検証入れに自動車保険に関係する書類が入っている場合もありますので確認して見て下さい。なければ車の購入店に聞いてみて下さい。
保険会社 レッカー連絡先
- 三井住友海上:0120-096-991
- 東京海上日動:0120-119-110
- あいおいニッセイ:0120-024-024
- 損害保険ジャパン:0120-256-110
- AIG損保: 0120-220-557
- 共栄火災:0120-044-787
- SBI損保:0800-2222-581
- ソニー損保:0120-101-789
オートバックスで撥水コートを購入
お店が開いている時間帯でしたらお近くのオートバックスまで行き、ワイパーが動かない修理を依頼して下さい。すぐに見てもらえない時は代車を借りて預けて修理して下さい。
どうしても乗って帰る必要があるのでしたら撥水コートを購入してフロントガラスに塗ることで雨を弾くのでワイパーを動かさなくても視界が保たれます。
走行すると風で雨が流れるのでより視界が広がります。それでも細かい雨粒までは弾かないので注意して下さい。
ガソリンスタンドで洗浄剤入りウォッシャー液を入れる
走行しているとフロントガラスには油膜が付着します。油膜は排気ガス中の油分であったり、ボディの油分や空気中に存在する油分がガラスに付くことで油膜になります。油膜の付着したガラスに雨が付くと水が伸びるように流れとても見にくくなります。
ワイパーが動かない時はせめて油膜だけでも取れると見え方が少し綺麗になるので試してください。ガソリンスタンドには油膜取りのウォッシャー液が売っているので購入してウォッシャータンクに注入して下さい。
その後ウォッシャーを作動させてフロントガラスの油膜を取ります。可能でしたらタオルで綺麗に拭くともっと見やすくなります。
コンビニの中性洗剤を買って油膜を取る
深夜ですとオートバックスやガソリンスタンドが閉まっています。その場合はコンビニで売っている食器用の中性洗剤で対処します。中性洗剤も油膜が取れるので、フロントガラスもしくはタオルに付けてガラスを綺麗にして下さい。
新聞紙や印刷用紙でガラスを拭く
コンビニすら見当たらない時は新聞紙でも油膜は多少とれます。雨で濡れている状態で新聞紙でフロントガラスを磨く事で油膜がある程度取れて視界が少しは良くなると思います。
以上が応急処置ですが、雨の夜にワイパーが動かないのはとても危険です。車はヘッドライトの明るさで存在がわかりますが、歩行者や自転車のライトはあまり目立ちません。
その場から移動しなくては危険な状態でしたら応急処置で安全な場所まで移動して下さい。そうでなければ危険ですのでレッカー搬送してもらうか雨が止むまで走行は控えるようにして下さい。
ワイパーが動かない原因と対処法
ワイパーが動かない故障の原因はそれほど多くありません。定番の故障があるので、原因とどういった修理になるのか対処法をご紹介します。
音だけがして動かない
原因.ワイパーリンクの故障かナットの緩み
ワイパーのスイッチを入れるとカチャカチャ音はするがワイパーが動かない故障があります。そういった故障はワイパーリンクの外れかワイパーアームのナットの緩みが原因です。
直すにはナットを締め付けるか、リンクの交換になります。まれにリンクジョイントが外れているだけの場合もありますが、樹脂部分が劣化して外れているので、取付するのではなく交換をおすすめします。
たまに動かない
原因.ワイパーモーターの回路が故障
「たまに動かない」「時々動かない」などの症状はワイパーモーターの故障です。ワイパーモーターの中はワイパーのスピードを調整する回路が4つほどあります。
回路は円形で所々銅板が途切れて電流を遮断する構造です。途切れた上を通過した時にワイパーが動かなくなって、ワイパー速度を調整しています。
最大に動かす時は銅板に途切れてがなく常にワイパーを動かしています。
そのため、銅板がすれてなくなってくると、「たまに動かない」といった症状が現れます。
モーターを交換するか、モーター内の基盤のグリスを塗り直すと直る場合があります。
片方しか動かない
原因.ワイパーリンクの外れかナットの緩み
「片方しか動かない」時はワイパーアームのナットが緩んでいるか、ワイパーリンクの外れです。まずワイパーアームのナットを締め付けてみて下さい。
それでも直らない場合はワイパーリンクを点検しますが、ワイパーリンクとモーターはワイパーガーニッシュに覆われており、見えません。
ワイパーガーニッシュを外すには、まずワイパーアームを外します。次にワイパーガーニッシュを外しますが、フロントガラスに引っかけて止まっているので気を付けて作業して下さい。
フロントガラスの縁は少しの力で簡単にヒビが入ります。工具を当てないように注意して下さい。
ハイしか動かない
原因.ワイパースイッチかワイパーモーターの故障
ワイパースイッチかワイパーモーターの故障ですが、ほとんどワイパーモーターの故障です。スイッチの故障と思われがちですが、ワイパーモーターには回路が組み込まれておりますが、ハイだけは直結です。
直結なので、ハイだけは回路が故障しても動きます。
途中で止まる(固まる)
原因.ワイパーモーターの故障
途中で固まる症状はワイパーモーターの故障です。モーター内の回路が断線しています。
その場合、ワイパーのスイッチでワイパーのスピードを変えると動き出す事が多いです。
ワイパーが動かない時の修理費用一覧
ワイパーのヒューズ切れ
ワイパーのヒューズは室内にあります。ヒューズの場所が車種によって変わりますが、運転席足元にある事が多いです。
ヒューズは1個100円程度ですが、ヒューズが切れる原因のほとんどがワイパーモーターの故障です。ヒューズ交換後、もう一度ヒューズ切れをおこすようでしたらワイパーモーターの内部がショートもしくはモーター焼き付きで抵抗が増えている場合が多いです。
ヒューズ | 100円 |
ワイパーモーターの故障
乗用車のタイプはそれほど大変な作業ではありませんが、ボンネットがない1BOXタイプは室内の作業になるので、取り外す部品が多くなり工賃が高くなります。
エブリィ、ミニキャブ、タウンエース、キャラバン、ハイエースなどは型式によって工賃が高くなります。
ワイパーモーター | 20,000円 |
工賃 | 5,000円~ |
ワイパーアームのナットの緩み
ナットが緩い場合、締め付ければ直る事が多いですが、まれにワイパーが空転したことでワイパーアームやワイパーリンクの切り溝がなくなって、ナットを締め付けても直らない場合もあります。
そうなるとワイパーアームもしくはワイパーリンクの交換が必要のなります。
ナット締め付け | 無料 |
ワイパーアーム | 2,000円/1本 |
アーム交換工賃 | 500円 |
ワイパースイッチの故障
By:shapro.net
ワイパースイッチは頻繁に動かすと接点が磨耗して故障が早くなります。ワイパースイッチが故障した時の症状は様々です。
「スイッチを入れて動かない」「ローだけ動かない」「ウォッシャーが出ない」など色々あるのでスイッチ以外の故障も考えて故障診断しなくてはなりません。例えばウォッシャースイッチを押している時にウォッシャーモーターに電圧がかかるか?など両方の部品を点検してスイッチの故障が判断できます。
交換はエアバッグやハンドルを外さなければ交換できない車もある為、工賃は高いです。
ワイパースイッチ | 8,000円 |
交換工賃 | 8,000円 |
ワイパーリンクの外れ
ワイパーリンクが外れてしまう原因はジョイント部分に使用されているプラスチックがヒビ割れをおこして繋ぎが緩くなってしまうためです。差し込むだけで付きますがワイパーを何度か動かしているといずれ外れてしまいますので、交換が必要です。
ワイパーリンク | 6,000円 |
交換工賃 | 5,000円 |
ボディコンピューターの故障
エンジン以外のボディコンピューターを使用している車種は、そのコンピューター内部のヒューズ部分が故障し、ワイパーが動かなくなるという事例もあります。
基本的にボディコンピューター内部のヒューズは交換できませんので、ボディコンピューター本体を交換することになります。
通常5~10万円位しますが、しかし、電子に詳しいメカニックは内部のヒューズやリレーのみを無理やり分解して交換することもあります。
これは車種によって、できる車と出来ない車にわかれますが、ボディ全般のコンピューターですので、ワイパーのみならず、他のパワーウインドウやウインカーなども動かなくなる可能性があり、分解修理はおすすめできません。
トヨタ、ニッサン、ホンダ、スズキなど、どのメーカーでもボディコンピューターは使用していますが、ボディコンピューターの見える箇所にヒューズが付いている車両も多く、そういった場合は交換は可能ですので、安くなおります。
今回はスズキのアルトのワイパー不動について説明いたします。
平成24年 アルト HA35S
アルトは新車時のワイパーモーターの防水構造が悪いため、水が浸入しモーターが故障しやすいので、調子が良くても悪くても無料で交換してもらえるリコールです。
待ってて20分位で終わりますので、ご予約後に車を整備工場に持ち込みましょう。
意外と知られていませんが、リコールはスズキ自動車などのディーラーでしか受ける事が出来ないと思っていられる方が多いです。
認証工場でしたらリコール作業は可能です。中古車をディーラー以外で購入した方でも買った所が認証工場をお持ちでしたら、まずは購入店にご相談して見て下さい。
なじみのあるお店で作業してもらった方が気楽です。
常にフロントガラスを綺麗にしておく
ワイパーゴムが劣化してくるとワイパーを作動させてもフロントガラスの汚れの拭き取りが悪く、ワイパーの通り道にスジが入ります。スジが1本や2本程度でしたらそれほど問題ありませんが、劣化したワイパーは10本、20本とフロントガラスに雨のスジが残ります。
この状態はとても視界が悪いです。視界が悪いと危険を見落としブレーキを踏むタイミングが遅れ事故の危険があります。
ワイパーゴムが劣化した状態になれてしまっている人は、その車のフロントガラスの状態が普通だと思っていますが、新品のワイパーゴムを装着すると、前が見やすくなるので驚く人が多いです。
また、劣化するとワイパーを動かすたびにゴーゴーという異音がしたり、ワイパーゴムがフロントガラスの上をバタバタと振動したりします。これらの状態の時はゴムが硬くなってきていますので、しばらくするとゴムが切れてしまいます。
切れてしまうと前がとても見にくくなり、危険ですので、1年に1度はワイパーゴムを交換するようにしましょう。
なお、雨の日の異音はワイパー以外の原因もあります。
その場合は、キュルキュルやギューなどの音はベルトの可能性も参考にして下さい。
フロントガラスのコーティングがおすすめ
高いコーティング剤でなく、安いコーティング剤でも塗っておけば、雨の日の視界は十分すぎるほど良くなりますので、2か月に1度は市販のコーティング剤を塗るのをおすすめします。
得にレインエックス、ガラコなどの低価格商品が作業的にも簡単なので、おすすめできます。
あまり高額な商品ですと逆に手間がかかり、失敗すると固まってしまい、見にくいラインがはいったりします。
余計に視界が悪くなりますので、安くて簡単な商品にしましょう。
フロントガラスのコーティングをしておくと他にもメリットがあります。
- 大雨の日でもワイパーを1番小さく(遅い)動きに設定で視界良好
- モーターの使用頻度を減らせるので、ワイパーモーターの寿命が延びる
- モーターの使用頻度を減らせるので、バッテリーの寿命が延びる
- ワイパーの使用頻度を減らせるので、ワイパーゴムの寿命が延びる
安全と節約のためにもフロントガラスは綺麗にしておきましょう。
ワイパーゴムの交換は2000円程度です。車検の時に不具合を感じなくても交換しておくといざと言う時に安心です。