※エンジン本体はエンジン内部の事で、エンジン廻りとはエンジンルームにある部品もしくはエンジンと繋がっている部品とお考え下さい。
エンジン廻りからの音といってもたくさんあります。
エンジンの音だと思っていても実はタイヤ付近の足回りから出ている場合もあります。
音は反響して色々な所から聞こえてきますので、走行中に音が発生している所を特定するのは困難です。
異音がすると不安で車に乗ることができません。
しかし、どうしても乗らなければならない時もあるはずです。
そこで、ここではエンジン廻りの異音でどこが故障しているのか判断する方法と簡単な対処法をご紹介します。
足廻りの異音ページも参考にして下さい。
なお、車検を安く済ませたい方はオートバックス車検も検討してみるといいと思います。
目次
異音が発生した時に最初にする事
異音が聞こえた時、そのまま乗って大丈夫か気になるところです。
しかし、出勤途中など、どうしても乗らなければならない時は多いと思います。
そのまま乗り続けた為に、重大な故障をしたり、重大な事故がおきると危険です。
そんな時の為に、そのまま乗り続けていいのかどうか、最低限の確認箇所を紹介しますので、参考にして下さい。
最初に確認する最低限の項目
- 警告灯は点灯していない
- いつもと違う匂いは発生していない
- 冷却水のサブタンク量が適量
- 室内ヒーターが効く
- エンジンオイルが入っている
- ブレーキオイルが入っている
- ATオイルが入っている
- 車体やハンドルに大きな振動がない
- いつもと乗った感じが同じ
- これだけは最低限確認して下さい。
しかし、これだけ大丈夫だから安全という事でもありませんので、必ず整備工場に持ち込みましょう。
何より1番良い方法は加入している自動車保険会社に電話する事です。
多くの保険会社は24時間電話サポートがあり、ロードサービスもついています。
レンタカーも無料貸し出ししてくれる場合もありますので、まずは電話しましょう。
ファンベルトから出るキュルキュル音
エンジン回りの異音ランキング1位はファンベルトです。
ベルトはエンジンと一緒に回転してますので、走行せずに停車中でもエンジンがかかっていれば音は出ます。
音が出る原因は主にベルトの硬化や緩みです。
硬化でしたら潤滑スプレーをベルトの腹側(溝側)に吹きかけると一時的に収まります。
いずれにしても交換しなければなりませんが、音が常に出ていなければ少しくらい走行しても大丈夫なので、一番近くの整備工場に行きましょう。
ずっと音が出ていると、バッテリーが正常に充電されませんので、バッテリー上がりをおこします。
その場合は、ロードサービスを利用するしかありません。
修理代 | 1万円弱 |
交換サイクル | 4万キロ毎 |
作業時間 | 30分 |
ファンベルトの音が出るタイミング
- 雨降りの日
- エンジンかけ始め1分程度
- アクセルを踏み込んだ時
- エンジンが冷えている時
- エアコンやライトなど電気を使っている時
マフラー触媒、タイコの音
エンジンで燃えた燃料は主に一酸化炭素と炭化水素になり、排気ガスとして放出されます。
ともに体にも環境にも有害です。
排気ガスはエンジンから出てマフラーを通過して車体後ろのテールパイプから大気にでますが、マフラーはエンジンの爆発音と有害物質を抑える機能が備わっています。
音を静かにする仕組み
排気ガス出口付近に大きな箱が消音装置となってます。
箱の中は数個のプレートによって空間が仕切られており、排気ガスは内部のパイプを通じて仕切られた空間を数ヶ所通過して大気に出ます。
各空間で音を吸収して、外に出るまでには小さくなっています。
排気ガスを綺麗にする仕組み
3元触媒がエンジンと排気ガス出口の中間についています。
3元触媒も箱になっており、中は網目状の浄化プレートが何層も重なって排気ガスが通過します。
その網目を通過して、有害物質を多く分解して排気ガスが綺麗になります。
以上のことからマフラーの中には、プレートやパイプが多く存在しています。
使用中のマフラーは燃焼不足のガソリンや完全燃焼した時の水分、高温などにより、ダメージをかなり受けます。
特に水分は錆びを発生させるため、内部のプレートやパイプを剥がし落とします。
それがマフラーの中で、転がったり、弾んだりして、異音になります。
石が鉄板の上で振動しているようなカラカラといった音です。
走行中は車体の揺れに応じてマフラーの中も揺れるので、カンカンといった飛び跳ねる音にも聞こえます。
そのままでも乗ることは可能ですが、機能が低下したマフラーは体にも環境にもよくありませんので、早めに直しましょう。
修理代 | 7万円 |
交換サイクル | 10年10万キロ以上 |
作業時間 | 30分 |
マフラーの音が出るタイミングと種類
- アイドリング中は一定のカラカラ音
- 走行中は凹凸のある道でカンカン音
- アクセルを踏み込んだ時はバリバリ音
エアコンのコンプレッサーから出るギャー音
エアコンのコンプレッサーから異音がする時はエアコンのスイッチがONの時です。
エアコンのベルトはエアコンのスイッチがOFFの時は何も力がかからず先端のプーリーだけが空回りしています。
エアコンのスイッチをONにするとコンプレッサー内部を回転させるので、とても重くなります。
その時にベルトの張りが緩かったり、ベルトが硬化したりしてますと、ONになった瞬間ベルトが滑り「ギャー」といった異音が発生します。
走行したい場合は、エアコンのスイッチをOFFにします。
音が出たまま走行するとベルトが切れる事があります。
ベルトが切れると付近の部品に絡んで破損する恐れがあります。
修理代が増えてしまう可能性があるので、すぐにエアコンのスイッチはOFFにしましょう。
音があまりにも大きかったり、エアコンのスイッチをONにするとエンストしそうなほど、車に振動がしたりする時はコンプレッサーの焼き付きも考え事られます。
エアコンを使用しなければ、普通に車を使用する事ができます。
修理代 | 5千円前後 |
交換サイクル | 4万キロ毎 |
作業時間 | 30分 |
エアコンベルトの音が出るタイミング
- エアコンのスイッチをONにした瞬間
- アクセルペダルを踏み込んだ直後
ラジエーターファン&コンデンサーファン
冷却水温が高い時、もしくはエアコンのスイッチがONの時に電動ファンが回転します。
モーターの中心軸が摩耗してくるとファンが揺れながら回転しますので、コンコンといった音がでます。
中心のベアリングが摩耗するとゴーといった音になります。
いずれもファンが回転している時にしか音はでません。
ファンは通常、左右のヘッドライトの中心付近についています。
音が出ている時にボンネットと開けてファンを探してください。
ファンの回転に合わせて音が変化するようでしたらファンの故障です。
車に乗ることは出来ますが、ラジエーターファンと兼用している車ですとオーバーヒートすることもあります。
車に乗るときはラジエーターのサブタンクを見て水量を確認して、なおかつ、走行中はメーター内の異常警告灯がつかない事を注意深くみる必要があります。
警告灯がついたらすぐにエンジンを停止して、ロードサービスを利用して下さい。
そのまま乗り続けると、エンジンが故障し、20万~50万程度の修理になります。
修理代 | 2万円 |
交換サイクル | 15万km |
作業時間 | 1時間 |
電動ファンの音が出るタイミング
- 主に停車中
- ACスイッチONの時
- 冷却水温95℃付近の時(不定期)
エアークリーナーボックス
エンジンルームの中にエンジンに空気を吸い込ませる為の箱がエアークリーナーです。
中にはフィルターが入っています。
エンジンの上の方に固定されていますが、ゴムのブッシュを介して固定されているので、エンジン振動を揺らす事で逃がしています。
このゴムのブッシュが切れたり、潰れたりすると振動が大きくなりコトコト、カタカタなどといった異音になります。
エンジンの内部音と勘違いされやすいですが、エアークリーナーの音でしたら、走行にまったく問題はありません。
アイドリング中の音が出ている時ににボンネットを開けてエアークリーナーを手で押さえると音が静かになれば、間違いありません。
修理代 | 3000円 |
交換サイクル | 8万km |
作業時間 | 15分 |
エアークリーナーの音が出るタイミング
- エアコンのスイッチを入れた時
- バックギアに入れた時
- ヘッドライトを点灯した時
- ドライブギアに入れて停車中の時
エンジンマウントのゴトゴト音
車体の上にエンジンが乗っていますが、直接固定しますと、エンジン振動が車体に直接伝わり乗り心地がかなり悪くなります。
そこでエンジンと車体の間に振動を吸収するエンジンマウントを取り付けています。
エンジンマウントは3個か4個をバランスよく取り付けられており、アイドリング時、低速走行、高速走行など、すべての状態で、車内振動を減らす構造になっています。
エンジンは100kg以上の重みがあるので、マウント形状は工夫されていて、適度にゴムの空間を作って揺れを逃がします。
それでも揺れてしまうようなエンジンは、マウント内部にオイルを入れて振動を吸収しています。
弱って来るとゴトゴト音とともに、椅子に響くような振動が発生します。
走行出来ますが、乗り心地はかなり悪く、アクセルタイミングや道路の凸凹でゴツンといった音と衝撃もあるので、驚くかもしれません。
修理代 | 1箇所2万円 |
交換サイクル | 9万km |
作業時間 | 1箇所1時間 |
エンジンマウントの音が出るタイミング
- 急加速時
- アイドリング時
- 悪路走行時
クランクプーリーから出るキューキュー音
エンジン下側中央に付いている大きなプーリーがクランクプーリーです。
このプーリーはエンジン内部のピストン上下運動を回転運動に変えた中心に直結しています。
エンジン回転の原点です。
役割は、オルタネ-タ-の充電装置やエアコンのコンプレッサーとベルトで繋げて動かしています。
それほど力はかかりませんが、エンジンの回転はとても早いので、直接ベルトでコンプレッサーなどの補記類を回すとなると、衝撃が強く、故障しやすくなります。
そのため、遊びを作る為に、回転衝撃を吸収するようにプーリーが内側の円と外側の円に分割され、間にゴムを入れました。
急回転したときは、ゴムがねじれて回転をやわらげます。
そのゴムが劣化すると回転中にゴムがねじれて擦れるキューキューといった音が出ます。
この状態ですと回転を補記類に伝える力が弱くなるので、バッテリー上がりなどの不具合が発生することがあります。
この音とともにバッテリーが弱いと感じましたら、早めに修理工場に持ち込みましょう。
修理代 | 2万円 |
交換サイクル | 15万km |
作業時間 | 40分 |
クランクプーリーの音が出るタイミング
- アイドリング中(キュッ、キュッ音 小)
- アクセル踏んだ時(キュー音)
エンジン廻り異音まとめ
実際には音だけでは、どこの故障か判断できません。
異音や振動は一番最初に察知できる故障診断です。
診断を間違えて安易に乗り続けると重大な故障につながります。
ここで異音を紹介しましたが、必ず整備工場で実際に見てもらって確認してください。
①まず最初にする事
- 基本の乗車前点検と自動車保険に電話
②ファンベルトの音
- 冷えている時、雨の日に音が出る
- キュー音
③マフラーの音
- カラカラ、カンカン音
- 走るとバリバリ音
④エアコンコンプレッサー
- ACスイッチONの時
- ギャー音
⑤ファンの音
- エンジン暑い時、ACスイッチONの時
- コンコン、ゴー音
⑥エアークリーナーの音
- コトコト、カタカタ、小刻みな小さい音
- エアークリーナーを押さえると消音
⑦エンジンマウントの音
- ゴトゴト、ゴツン音
- 車内に振動が伝わる
⑧クランクプーリーの音
- キュー、キュッ音
- 補記類に影響が出る