自動車のブレーキパッドについて解説していきます。
ブレーキパッドとは
基本情報を紹介します
装着場所&名称
—-アドヴィックス参考画像—-
車の各ホイールの内側に装着されています。
多くの車は前輪左右のホイールのみブレーキパッドを使用して、後輪左右はドラム式ブレーキを使用している車が多いです。
ハイブリッド車や電子パーキングブレーキの車はリヤもブレーキパッドを使っています。
ブレーキパッドはホイールローターを挟むので一ヶ所で2枚使います。
前輪左右で計4枚のブレーキパッドを使うことになります。
ディスクパッドとも呼ばれ、ホイールローターのことはディスクローターとも言います。
特徴
—-アドヴィックス参考画像—-
ブレーキはローターとの摩擦を利用してホイールの回転を止めます。
その為、ブレーキパッドは削れ粉が出ます。
その粉はブレーキダストと呼ばれホイールを黒く汚します。
そのまま放置すると洗車程度では汚れが落ちません。
ブレーキダスト専用のクリーナーで綺麗になりますが、強力な洗浄剤なので、ホイールの塗面を傷める事になります。
ブレーキパッドの役割
—-アンチロックブレーキ参考動画—-
車を止める制動装着の1つです。
制動装着はブレーキペダル、ブレーキオイル、ディスクキャリパー、ディスクローター、ディスクパッドなどで構成されており、ディスクパッドは一番交換頻度が高い部品です。
ブレーキペダルを踏むとブレーキオイルがディスクキャリパーまで流れてディスクキャリパーのピストンを押し出します。
ピストンに押されたディスクパッドがホイールと連結しているディスクローター強く挟みます。
そこで回転にブレーキがかかり車が止まります。
ブレーキ関連部品の中で、ディスクパッドとディスクローターが直接車を止めています。
ブレーキパッドの交換時期
ブレーキパッドは1万km走行で2mm程度減ります。
新品の厚みが10mm程度なので新品に交換してから5万kmが限界で、4万kmを越えたら交換時期になります。
あまり走行していない車でも高温、低温を繰り返す場所なので、ローターとの接地面は劣化します。
硬化し、異音や剥離の原因になるので、磨耗が少なくても6~8年位で交換することになります。
整備士以外の交換時期の判断方法
整備士の点検はタイヤを外して黙視でブレーキパッドのライニング部分を測定し、残りが2~3mmでしたら交換時期と判断します。
整備士以外の人はタイヤを外すのも大変なので、エンジンルームで確認します。
エンジンルーム内の運転席側にブレーキオイルタンクが見えます。
半透明の容器で量が確認出来るようになっていますので、黙視します。
MAXレベル付近でしたら大丈夫ですが、MAXとLOWの中間位ですとブレーキパッドがかなり消耗している証拠です。
ブレーキパッドの交換費用
ブレーキパッドの部品代と工賃を合わせた総費用を紹介します。
- 普通車 14000円
- 軽自動車 11000円
フロント左右セットの交換費用です。
リヤはフロントに比べて10~20%ほど安くなります。
故障するとどうなるのか
—-AISIN参考動画—-
一般的にブレーキパッドの故障は、磨耗してライニング(パッドの擦れる面)の残りの厚みが限度値を越えた状態を示します。
他にもキャリパーの故障でブレーキパッドが熱を持ち、ライニングが欠けてしまうような故障もありますが、原因がキャリパーなのでブレーキパッドの故障ではありません。
ブレーキ鳴き(キーキー音)は警告音
故障すると音が出るのではなく、交換時期が近づくとブレーキ鳴きを発して教えてくれます。
通常この時点で交換する人がほとんどでしょう。
それでも交換せずに乗っているとゴーゴー音に変わります。
そうなるとブレーキローターも削れているので、ローターも交換になります。
その時点ですと、ブレーキパッドが薄くなり過ぎてキャリパーから飛び出て外れ、ピストンも抜けてブレーキが全く効かなくなる場合もあります。
まとめ
ブレーキペダルの踏み込みが深くなったからブレーキパッドが減っていると勘違いされる方もいます。
しかし、実際はパッドが少なくなるとペダルの踏み込みは浅く固く感じるはずです。
それはブレーキパッドの柔らかいライニング部分が減り、裏の硬いベースの割合が大きくなるので、ペダルが硬く感じます。
もう一つ、ブレーキペダルが硬く感じる理由
ブレーキパッドが消耗している時は、それだけの年数が経過しています。
年数が経過すると
- キャリパーのスライド部分に汚れや錆がたまり、動きが悪くなる
- キャリパーピストンが錆びて動きが悪くなる
以上のことからペダルが硬くなることがあります。
ブレーキペダルの踏み込みが深くなった時は、ブレーキパッドではなく、ブレーキオイルの劣化やブレーキマスターシリンダーなど、別の故障が考えられます。