アルトの水温センサーとサーモスタットの交換方法 【画像付き クーラントの漏れ No.1箇所】

サーモスタット水漏れ オーバーヒート

アルトのサーモスタットのケースは割れる事で有名です。型式HA24Sのアルトのクーラントが漏れてたら、ここの可能性大!

そもそもサーモスタットとはラジエーターとエンジンを行き来している冷却水を遮断したり開通したりする弁です。

熱いと開いてラジエーターに流して冷やします。

冷たいと閉じてエンジンが適温になるまで、熱くします。

そのサーモスタットのケースには水温センサー、サーモスタットがついているんですね。

普通は全部バラバラで交換できるのに、アルトは全部セットです。

その変わり、高額ではありませんので、それほど心配しなくてもいいでしょう。

 



サーモケースからクーラントが漏れていないか

本当に冷却水の漏れが多い場所で、アルトがオーバーヒートした時、ほぼ、このサーモケースでしょう。

この箇所から水漏れするとメーター内に水温が高温を示す、赤い水温ランプの警告灯が点灯しますので、点灯しましたらすぐにエンジンを切って停止しましょう。

この警告灯を見落として走行してしまうと、エンジンが壊れてしまう事がありますので、気をつけてくださいね。

 

サーモケース及びサーモスタットの場所
まずはアルトのサーモスタットのケースの場所を確認しましょう。

上の図で赤丸の奥にサーモケースが付いています。

この下側から水が出てきていれば、サーモケースが割れている可能性が高いですね。

これではまったく見えませんので、視覚の邪魔になるエアークリーナーのケースやホース類を外します。

コツはとにかく、部品を多く外す事!

少し見えたからいいかな?ではダメです。

思いっきり、手が楽に入るまで、部品をどんどんはずしましょう。

エアークリーナー本体、エアークリーナーダクト、チャコールキャニスター、電子スロットルの配線など。

この作業をケチらなければ、その後に作業時間とミスが大幅に減ること間違いなし!

では次に進みます。

 

 

エアークリーナーのケースやホースを外す

手がやっと入る状態で作業すると、思わぬミスに繋がり、後悔する事があります。

私もじゃまな部品を外すのをためらったばかりに、ネジを壊してしまった。なんて事もありました。

「この部品外さなくても、水温センサーの交換できそう」

いえいえ、危険ですよ。

余裕で外れるほど、スカスカになるまで、部品を取り外しましょう。

アルトのサーモスタットの位置

上の図で赤丸がサーモケースです。

半分位見えて来ましたね。

焦らずに、もっと見やすくなるまで外しましょう。

 

スロットルボディも外すとサーモケースが丸見えに

水漏れは伝って下から出ますが、漏れている最初の箇所を発見しないと、検討違いの部品を交換することになりかねません。

まずは丸見えにしましょう。

アルトのスロットルバルブ

上の図をご覧下さい。

サーモケースの上に邪魔なものがありますよね。

これはスロットルボディと言いまして、アクセルペダルの踏み込みに合わせて内部のバルブを開け閉めし、エンジン内部に送る空気の量を調整している部品です。

交換するわけではありませんので、外して着けるだけでしたら調整もいりません。

10mmのネジ4本と冷却水が入ってるホース2本を軽い気持ちで外しましょう。

次はついにサーモケースを外します。

 

サーモスタット一体型サーモケース、水温センサー付きを外す

アッパーホース、水温センサーカプラー、ネジ3本を外し、知恵の輪をとるように、斜めにしたり、回転させたりし、サーモケースassyをエンジンから取り外します。

手が十分に入るので、作業は楽ではないですか?

いきなりサーモケースが外れた画像になってしまいました。

サーモスタットが付いていたシリンダーヘッド
赤丸の所にサーモケースがついていました。

ゴムパッキンが残っていますが、しっかり視ると下側が切れているのがわかりますか?

ここから冷却水が漏れていたのです。

ゴムパッキンはそれほど劣化していないのに切れてました。

どうして切れてしまったのでしょうか?

次を見てください。

 

サーモケース下側のパッキンがつく所が割れてる

アルトのここが本当に弱いです。

何台、交換したことか。

今では、車検、点検、用品取り付け、別の修理などで入庫してきた時は必ず見ます。

交換歴がなく、見た目が古そうでしたら、お客様に壊れやすいと伝えます。

関係ないですけど、ナビを付けたあとすぐにオーバーヒートして作業を疑われても困りますからね。

サーモケースの割れ
上の図を見て下さい。

内側のフチが割れているのがわかりますか?

この溝の中にゴムパッキンがはいりますが、内側のフチが割れているため、ここの箇所のゴムパッキンに冷却水の圧力がかかり、パッキンが切れてしまいます。

少し前にお伝えしたパッキンが切れていた場所がここです。

このフチの強度が少し足りなかったんですね。

ちなみに新品がこちらです。

新品のサーモスタットと水温センサー

綺麗ですね。しかもパッキンがしっかり付いています。

きっと強度も増している事だと思います。

後は逆の手順で組付けていって下さい。

組付けが完了しましたら冷却水を入れてラジエーターのエア抜きをすれば完成です。

なお、ラジエーターのエア抜きは「冷却水が漏れていないのにクーラントが減るわけ」の最後に解説しています。

 

サーモスタット、水温センサー、サーモケース交換費用

サーモスタット、

水温センサー、

一体式サーモケース

部品代

4700円
クーラント 2L 4000円
工賃 10000円
合計 18700円