
仕事も遊びも海外でもヒット商品の200系ハイエース!
これほど、実用的で丈夫な車は他にありません。
ハイエースほど他を寄せ付けない圧倒的なパワーを持ってる車はないでしょう。
ワンボックスの中で最強と言えます。
残念ながら価格も最強ですね。
たとえ安く販売したとしても消費者が増え価格が上がってしまうでしょう。
結局、高い車が良い車、安い車が悪い車ということです。
そんな最強のあなたのハイエース。
最近エアコンを入れると左前方からガタガタ音が出ていませんか?
意外と間違える人が多いこの故障。
風を出すブロワモーターの音ではありませんよ!
では、エアコンのスイッチを入れたこの音はどこから出ているのでしょうか?
目次
何時、ガタガタする音がでるのか
少しでも多くの情報を取得し、間違った判断を防がなければなりません。
それに部品は宙に浮いている訳ではありませんので、何かで必ず繋がっています。
音は伝わって違う部品からも聞こえてきてしまうんですね。
それでは音のタイミングを調べましょう。
まず、エアコンの風を出すレバーを動かし、風を出します。
音を聞きやすくするため、最初は風量を小さくしましょう。
その時、エアコンのスイッチは切って下さい。
エアコンのスイッチは切って風を出すスイッチだけ入れます。
大丈夫ですか?わかりますか?
この作業を間違えてしまいますと正確な判断が出来なくなります。
さあ、あなたのハイエースはガタガタ、カタカタ、音はでますか?
この状態で音がでてましたら、ブロワモーターの可能性がありますので、次項を見て下さい。
この状態で音が出ないようでしたら電動ファン(クーリングファン)の可能性がありますが、間違った診断をしないように次項も見て参考にしてください。
ハイエースの異音(エアコンスイッチoffの時)
エアコンのスイッチを入れずに風を出すだけでカタカタ音が出るときは、助手席足元に付いているブロワモーターの可能性が大きいです。
ブロワモーターは家庭用の扇風機と同じ仕組みで、風を送っているだけです。
モーターの中心部分が消耗してきて、隙間が大きくなり、羽が揺れて音が出てしまうんですね。
風の量によって音が変わるのが特徴です。
風量1で1秒間のカタカタ音の回数が4回だとすると、風量4では10回程度。
実際にブロワモーターを外して羽を手で触るとガタガタするので分かると思います。
※注意 作業中は絶対にエンジンキーはoffにしてください。万が一ブロワモーターが回転しますと大怪我をします。出来ればカギは抜いて他の人が触れないようにポケットにしまっておきましょう。
ハイエースの異音(エアコンスイッチONの時)
A/Cのスイッチを入れた時だけ音が出るのは電動ファン(クーリングファン)の音の可能性が高いです。
しかし、エアコンのスイッチを入れると同時に作動する部品があり、電動ファンの音とは言い切れません。
まずは電動ファン以外の音をお伝えします。
エアコンスイッチを入れると作動する部品は、有名なところでコンプレッサー、電動ファンがあります。
エアコンのスイッチを入れると出る音は、コンプレッサーの音だと思っている人が多いのではないでしょうか?
たしかにコンプレッサーが壊れて音が出ることもありますが、その時は冷たい風が出ません。
出たとしても時々、温くなったり、エアコンの機能に影響がでるでしょう。
その他に、エアコンのスイッチを入れるとコンプレッサーに力が加わる為、ベルトの張りが強くなります。
このハイエースはベルトの調整は自動タイプですので、調整不要でして、スプリングで常に適正にベルトの張りを調整しています。
そのスプリングが弱ってくると、コンプレッサーによるベルトの張りに耐えれなくなり、ガタガタゆれ、音が発生することもあります。
この部品はテンショナーと呼ばれますが、アクセルを踏み込んだ時にガラガラっと音が出ます。
アイドリングでも音が出ますが、主な特徴は前方ではなく、運転席シート下から音が聞こえてくる事でしょう。
その他の特徴は何かアクションを起こした直後!
例えば、アクセルを踏む、バックに入れる、ドライブに入れる、エアコンを入れる、です。
こういった行動の時だけ出るのはベルトテンショナーの可能性が大きく、電動ファンの音ではありません。
それでは電動ファンから出る音とは、どんな特徴があるのでしょうか?
クーリングファン(電動ファン)モーターの作動
エアコンのスイッチを入れなくても出る音はブロワモーターの可能性が高いと説明しましたね。
ではエアコンスイッチを入れるとベルトの張りを自動調整するベルトテンショナーが弱っている可能性があることも説明しました。
もう1つ、1番多く異音がでる箇所が電動ファン(クーリングファン)モーター!です。
実はここから音が出ているいう判断はとても難しく、まずは電動ファンの作動条件を知ることが大事です。
電動ファンのシステム(下の補足も見て下さい)
ハイエースの電動ファンは車の前方に付いていますが、ラジエーターの裏側に装着されていますので、外からは見えません。
車をリフトアップさせて下からでないと見れないんです。
ハイエースの電動ファンは2つ付いていてエアコンガスの圧力値と冷却水温のどちらかが、基準より高いと回ります。
冷却水の温度はエンジンが熱いと上がりますが、なんとエアコンガスも熱いと圧力値が上がるんですね。
なので、ガスを冷やすためにだけにも電動ファンが回り、冷却水のためだけに電動ファンがあるわけではありません。
ということは、エアコンを作動させていなくても冷却水が熱ければ電動ファンは回ってしまうんです。
つまり、エアコンのスイッチを切っていても電動ファン(クーリングファン)が回るので、電動ファンの異音は発生します。
そうなると、ブロワモーターの音か、ベルトテンショナーの音か、電動ファンの音かわかりません。
ではどこで判断したらいいのでしょうか?
【補足】
ファン作動特性図
上のグラフで冷却水の温度が74℃まではクーリングファンに電圧がかかっていませんので、クーリングファンが回ることはありません。
75℃になるとクーリングファンに4.1Vの電圧をかけ、LOW(弱)の状態でファンを回します。
81℃から徐々に電圧を上げ、ファンの回転を上げていきます。
85℃でHI(強)の回転になります。
で、91℃になるとMAX HI(最強)の回転!!
この図を見ると74℃を超えるとファンはずっと回転してしまうと思ってしまいすが、時々、回転を止めて休みます。
しかし、74℃以下ではA/Cのスイッチを入れなければ絶対に回りません。(どこか故障してると回ります)
クーリングファンからの異音で確定するには
本当は音が出ているときに、車用の聴診器を部品に当てて聞けば間違いありません。
もしくは長いドライバーを部品に当てて、柄の部分に耳をしっかり着ければ音を聞くことが出来ます。
しかし、車の下に部品がついているとなると、整備工場などでなければ確認できませんよね。
なので、音のタイミングと自身の行動でどこから音が出ているか、探してきました。
以上をまとめて最終判断します。
- ブロワモーターからの音の場合、風の風量によって変化する。
- ベルトテンショナーからの音の場合、エンジン回転数によって変化。例えば、加速時(回転数が上がる)とアイドリング時で音が変わったり、バックギヤに入れる(回転数が下がる)と音が大きくなったりする事があります。
上記2つの症状がなく、エンジンをかけてすぐ、そして、エンジンがまだ冷えている時(水温74℃以下)にエアコンスイッチを入れて音が出れば高確率で電動ファンの音!
電動ファン(クーリングファン)の修理費用
電動ファンモーター
(クーリングファン) |
16300円 |
工賃 | 9000円 |
合計 | 25300円 |
クーリングファンモーターは2個使用していますが、1個の費用です。私の経験上、2つ故障したことはありません。
ブロワモーターの修理費用
ブロワモーター | 12500円 |
工賃 | 2000円 |
合計 | 14500円 |
クーリングファンの交換方法
- 車の最先端の下側についていますが、アンダーカバーがついて見えなくなっているので、まずはアンダーカバーを外してください。
- 赤枠にオートマのオイルクーラーホースが2本ささってますので、外してください。オイルはそれほど出ませんので、補充する必要もないと思います。
- オレンジ枠のファンを丸ごと外します。ピンク丸の6か所の10mmボルトを外し、モーターに繋がているカプラーを外せば、ファンカバーごと下に外すことができます。
外れた後の状態です。
今は外れていますが、オレンジ枠にファンコンピューターが付いています。
ファンのボルトを取り外す前にファンコンピューターを外すと手が容易に入り、作業が簡単になります。(最初に説明する所でした。すいません)
左右2つのハネがありますが、触るとカタカタ大きく揺れる方から音が出ています。
きっと逆側も少しは揺れますが、どちらか一方の揺れが大きいはずです。
赤丸の8㎜ナットを外せばピンク丸のハネが取れます。
青丸がクーリングファンモーターなので、赤丸3か所のプラスネジを外せばクーリングファンが取り外せます。
後は逆の手順で組付けていってください。
組付け後は設定などございませんので、そのまま使用できます。
意外と整備士以外でも出来てしまうかもしれません。
インターネットで部品を購入すれば、整備工場で注文するより安いです。
安く直したければご自分でやってみるのもいいですね。