中古車 走行距離10万kmを購入する注意点【何年乗り続ける事ができる?】

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ネオン車

カーセンサーでお手頃価格の中古車を探していると全部10万km超えだったなんてこともあるのではないでしょうか。

そこでよくある質問4つ。

  1. 10万kmの中古車って何か危険なの?
  2. 10万kmは買ってすぐに故障する?
  3. 10万km超えの中古車を買って後悔した人いる?
  4. 10万kmの車を乗り続ける事はできる?

中古車販売の整備士をしていると、この辺りは良く聞かれます。

年式が古くても走行距離が少ない方がエンジンは安心といった事も聞いた事があります。

ここでは上の4つを調べてまとめました。

中古車を買って後悔しないように、買う時に見る所、注意点などご紹介いたします。

なお、お手頃な車を探すなら下取りを高く売るのも得する1つの手です。

高く売るなら一括査定がおすすめですが、デメリットもある為、「車一括査定をやってみた感想」のページも参考に買い替えを検討してみてください。

 

 

10万km超え中古車でも買って良い3つのポイント

10万kmを超えた中古車の何が危険かといいますと、様々な箇所の故障です。買ってすぐに故障する中古車は下の3つに当てはまらい車が多いので、安心できる中古車を購入したい方は最低でも下の3つの条件を満たした車にしましょう。

 

年式が新しい車

10万kmを超えていても新車からの経過年数が10年以内でしたら比較的安心できる中古車が多いです。

15年もしくは20年以上経過してしまっているとメンテナンスが簡単にできないエンジン内部のパッキンなどに不具合が生じやすいので、購入後に高額修理が発生する場合があります。

 

メンテナンス記録簿がある

引用:整備振興会

10万kmを超えていても定期点検をしっかりしてあり、定期交換が必要な部品交換もしていればまったく問題ありません。

むしろ5万kmなどでも定期的に部品交換していない車はエンジンから白煙が出たりなど不具合が発生します。

車検の記録簿、1年点検の記録簿が全部揃っていて、尚且つエンジンオイル交換や修理履歴を残してあるような車がベストです。

 

室内、外装の汚れがなく綺麗

車を大事にしていない人は室内の傷や汚れが多い傾向にあります。

車を大事にしていない人は急発進や急ブレーキなども多いので普通に乗られている人よりも車体の負担は大きいです。

例えば急ブレーキはブレーキローターやショックアブソーバーに負担がかかります。急発進はエンジン内部、オートマチックミッション内部に負担がかかっています。

このように雑な運転は様々な箇所に負担がかかっているので、よく一般的に言われている「あたりの中古車」「はずれの中古車」の違いは運ではなく、このような前歴を見抜けるかどうかで決まります。

 

 

走行距離が多い車で買ってはダメな条件

走行距離が多い車は接触している部品の消耗が激しいです。

電気系ではモーターが弱ったりしています。

例えば走行距離によってオートマチック内部のギアは削れ、エンジンの回転部分は摩耗します。

パワーウィンドウもモーターが弱くなってきます。

そのような状態で下記のような車は購入するのはとても危険です。

 

修復歴アリ

引用:日本自動車査定協会

修復歴アリとは事故車を修復してある車です。

修復歴アリでも買っていい車も参考に見て下さい。

 

一見、しっかり直っているので安心かと思いますが、非分解のオートマの内部は事故によってひび割れや歪が起こっているかもしれません。

このように事故を綺麗に直していても事故の衝撃が加わった部品までは直していません。

そういった車は走行距離が増えれば増えるほど故障リスクが増えるので故障が多く、長く乗る為には修理代が高額になります。

 

冠水車

引用:日本自動車査定協会

冠水車とは雨や洪水で車のシート付近まで水が浸水してしまった車両を言います。上の図は査定協会の画像を引用いたしましたが、冠水車はシートベルトを伸ばすと奥の方が汚れている場合があるようです。

冠水車が危険な理由は電気系統です。

電機部品は水に濡れると流れてはいけない回路に電流が流れたりショートして火災がおきたりします。

乾いた後も錆が徐々に増えていき、電気回路を絶縁したり、ショートしたりと、不思議な故障が多くなります。

ですので冠水車で走行距離が多い車は修理ばかりになります。

 

 

車を買う前に見る所と聞く事

車に詳しくなくても重要な箇所を見て聞くのは大事です。

 

まっすぐ走るか試乗してチェック

中古車は必ず試乗して下さい。運転させてもらえないようでしたらせめてスタッフの運転で助手席に座って走行して下さい。

車に詳しくないと何がおかしいかわかりませんが、「まっすぐ走る」「振動や揺れ」「異音」程度はわかると思います。

しかも試乗する事でスタッフから「ここは事前に直します」といったサービス発生する場合があります。

納車前にサイドスリップ検査をしてもらうようにお願いするとより安心です。

 

ボディの錆をチェック

表面の錆びは内部深くまで錆が発生している証拠です。1年も経過すると塗装が浮いてくるので、錆は購入前に直すよう交渉して下さい。

 

ドアの開け閉めをチェック

ドアの開け閉めがおかしい場合、鈑金など修正してることがあります。修復歴を隠すつもりはなくても気が付かず販売しているお店が多いので、ご自身でもドアの開閉など簡単な箇所は見て下さい。

 

エンジンをかけて異音をチェック

異音があれば、どこから出ているか?としっかり直るのか?をスタッフに聞いて確認して下さい。

異音かどうかわからない時は別の車のエンジンをかけてみて比べて下さい。

 

ラジエーターとオイル漏れをチェック

プロでなければエンジンルームを見ても何が悪いかわからないと思います。

しかし、オイル漏れや水漏れは見れば分かります。

わからなくてもスタッフと一緒に見る事で、お店側から納車前に直す箇所の提案をしてくる場合があります。

 

エアコン、パワーウィンドウなど電装品をチェック

室内の装備品は感覚的な部分が多いので、ご自分の感覚で、「エアコンの効きが弱い」や「パワーウィンドウが遅い」などチェックして気になればスタッフに聞いて下さい。

 

修復歴と冠水車ではない事を聞く

中古車販売では修復歴と冠水車は報告しなければいけませんが、聞かれないと言わない悪質な販売店もいます。

隠そうとしている販売店も聞かれれば不自然になりますので、聞くことに意味があります。

 

保証内容と整備内容を聞く

納車前に交換したもらえる部品を聞いて下さい。

中古車販売ではオイル交換は基本です。

その他にタイヤバッテリーブレーキパッド、ファンベルトなども交換時期もしくは1年以内に交換時期になるような状態でしたら交渉して交換してもらいましょう。

また、保証内容を聞いて心配な箇所だけ保証を延長してもらう交渉もあります。

例えば、ネットなどでエアコンがすぐ故障する事で有名な車はエアコンの保証を1年にしてもらうなど、交渉しましょう。

その後で保証書に記載してもらって下さい。

心配でしたら有料のカーセンサー保証も検討して見て下さい。

 

値引きを聞く

値引きはあまり積極的に聞くのはよくありませんが、車の購入は値引きがつきものです。

必ず最後に1度は値引きの話をして下さい。

中古車を値引きするコツ」のページも参考にして下さい。

 

中古車を即決して後悔するケース

傷やボディーの色あせ、臭いは応急処置されている場合があります。

タバコの臭いや動物臭いは来店前に消臭剤を充満させて窓を開けておけばわからなくなりますが、窓を閉めて2,3日後に室内に入ると強烈な臭いがある場合があります。

臭いはどんなに消臭作業をしても完全に消すことができないので、購入前に予約なしで現車確認しに行きましょう。

もう1つ、ボディの色あせはワックスが効いていいると分かりません。ワックスは1週間~1ヶ月程度で取れてしまいます。

塗装の状態を確かめるには屋根やボンネットを見て下さい。

サイドのドアより太陽光や酸性雨を受けやすい屋根、ボンネットは劣化が激しいです。ドアと見比べて色が薄ければ今後1年以内に色落ちが激しくなるので注意して下さい。

 

 

年式と走行距離どっちを優先?

私(整備士)の経験上、年式を優先した方が長く乗り続ける事が出来るような気がします。

 

初心者向けの中古車選び方

  1. 5年落ちまでの中古車を選ぶ
  2. 走行距離10万km以下にする
  3. 修復歴なしの車にする
  4. 整備あり、保証ありの車を選ぶ
  5. オイル交換のメンテナンスパックの契約をする

価格が安くても初心者でしたら上の4つは最低条件として考えて下さい。

 

 

まだまだ乗るにはメンテナンスが重要

統計結果
引用:自動車検査登録情報協会

 

上の画像は自動車の平均使用年数ですが、年々使用年数が増えているのがわかります。

2021年の乗用車の平均使用年数は14年です。

このデータはメンテナンスをしっかりしている車だけではありません。

大事に乗られている人もいれば、雑に乗っている人もいるので、大事に乗っていれば15年以上は楽に乗れると思います。

 

あと何年乗れるのかはメンテ次第

メンテナンスを怠ると車にとって取り返しのつかないダメージが残ります。

例1)エンジンオイル交換をしないとエンジン内部に粘土状態のオイルが蓄積し、これはいくら洗浄しても取り切れません。隙間が広がり、燃費も悪くなりオイル漏れがする車になってしまいます。

例2)フィルター類は交換しないと本体が詰まってしまいます。エアコンフィルターを交換せずに使用すると冷やす装置のエバポレーターが詰まります。

※↓エバポレーターの画像

エバポレーター

by:shapro.net

エバポレーターを完全に綺麗にするには取り外さなければ出来ないので5万円以上の作業になります。エンジンのエアーフィルターも同じで交換しないとエンジン内部の傷やダメージに繋がります。

以下は中古車に乗り続けるのに重要なメンテナンス部品です。

交換部品 交換時期
エンジンオイル 6ヶ月
オイルフィルター 12か月
エアーフィルター 4年
ACフィルター 2年

 

10万kmを超えた時に交換する部品

現在の車は10万kmを超えたからといって特別交換するような部品はありません。

上の定期的に交換する部品を交換しておけば10万kmといった節目でも特別な作業はいりません。

あえて交換するならスパークプラグですが、こちらは金額で交換時期を判断できます。

金額別の交換時期 交換時期
1本1000円以下 2万km
1本2000円以下 4万km
1本3000円以下 10万km

その他に10万km付近でよく故障する部品

  1. ラジエーター
  2. オルタネーター
  3. セルモーター
  4. ファンモーター
2つのジエーターファン
赤丸がファンモーター、後ろがラジエーター

この中でもラジエーターは走行距離よりも年式が古い方が故障しやすいです。

オルタネーターは発電機です。故障するとバッテリーが上がります。

セルモーターはエンジンをかける時に回すモーターです。故障するとエンジンがかかりません。

 

10万kmの車,危険,故障,後悔,乗り続ける【まとめ】

実際の統計を見ますと、平均で14万kmまで乗られています。

しかも14万kmで車を手放した人も車が故障したから手放したといった人ばかりではないはずです。

そう考えると、実際に故障するまで乗るのなら後5年程乗れそうです。

「修復歴あり」など危険な車を購入前に聞いておけば買って後悔するリスクも防げるはずです。

本ページの「買う前に見る事と聞く事」や「購入の注意点」をしっかり見て安くて安全な車を探して下さい。