
中古車のラジエーターの水でどこまで判断できる? 平成24年 ソリオで説明
車の冷却系統はラジエーター、ファン、サーモスタット、ウォーターポンプなどの部品を使用しています。
聞いた事が無い部品もあると思いますが、皆さんは車の修理を専業としていませんので、名称は覚える必要はありません。
このページを見ながら実際に中古車と見比べて点検して下さい。
その中でも中古車を購入前に点検するにあたって重要な箇所を説明します。
冷却系統の主役、ラジエーター
ラジエーターは冷却水を入れている入れ物です。冷却水はロングライフクーラントとも呼ばれています。現在のクーラントは劣化しにくくなっており、20年近く使用できることからスーパークーラントなどと呼ぶものもあります。
ラジエーターには水が入って出ていく構造でなければいけませんので、入り口と出口があり、通常ラジエーターの上と下にホースがつながれています。
赤丸が上のホース入り口
ラジエーターは上部がプラスチックなので、劣化してきますと横線のヒビが入ってきます。1番ヒビが入りやすい箇所は上のホースがつながれている赤丸部分の裏になります。
エンジンの中で熱くなったクーラントが流れてきて当たる場所なので、熱と水圧で他の場所より劣化が激しいです。大事な箇所なので、注意して見て下さい。
ラジエーターにはサブタンクというクーラントを貯めておく場所もあります。水は熱で膨張しますので、逃がすところです。そのまま外に逃がしてしまうと、水がどんどん減っていきます。
サブタンク
逆に冷えてくるとエンジンの中の水が収縮しますので、サブタンクの中から吸うように戻っていきます。
その為、サブタンクにはローとハイのラインがあり、その中で増えたり減ったりしていますので、入れすぎるとあふれることもあり、少ないとエアーを吸い込んでしまいます。適量が大事です。
それとオーバーヒートしますと、クーラントが沸騰してしまい、サブタンクから噴き出てしまいます。その後、冷えるとエンジンが吸い込みますので、サブタンクは空になります。
サブタンクが空の車両はオーバーヒート気味の車なのかもしれません。念のため、購入は控えた方が良いと思います。
また、サブタンクの中がさびている状態の中古車は絶対に購入してはいけません。サブタンクに錆があると当然、エンジンの中も錆びています。
1度サビが発生したエンジンはいくら洗浄してもなおりません。
洗浄したばかりでしたら大丈夫ですが、ゆっくりと色々な所がつまり、約半年後か1年後にオーバーヒートします。
タイムロスがある為に、1度は直ったと錯覚してしまいがちです。この繰り返しで、時間と費用がどんどん消費していきますので、サビのある車は購入をやめましょう。
冷却系統で、他にも、とても役に立つ点検方法があります。クーリングファンの点検方法も見て下さい。ここまで点検できると中古車仕入れのプロになれます。